「大将、相変わらずっすよね、ヤマちゃん」

「賑やかな人だね」

置いていったチョウザメをさばく。
「だが、目は確かだ。今日は良いものが出せそうだ」

半紙に墨で『本日、チョウザメあり□』と書く。
それを木目の整った板に貼り、店の軒先に吊るした。

「これでよし、と。メイシス君、昼の準備しようか」

「おいっす。了解っす」

つくね亭は昼間、食事も出来るのだ。
奇をてらうメニューは置いていない。
その代わり、一品ずつが丁寧に作られている。
熊の妻である、いぶがこだわったことだ。
食は体の為に。食は心の為に。
食べにきてもらえる人に、元気になって欲しい。
そんな願いがメニューに溢れていた。

「もう、お店開いてますかぁ?」

週に一・二度は必ず来る主婦である。
二人の子供を連れ、ご飯を食べにくる。

「どうぞいらっしゃい。奥のカウンターへどうぞ。」
座席に着いた途端、早速、子供達を叱りつけている。

「ほら、ちゃんとしなさい」
子供達を連れて食事をするのは一苦労なのだ。

三へ