奴ら、冬ぐらい大人
しくすればいいのに。

つくね家の愛猫イブは
コタツの中でぼやいた。

「いぶはん、また来た
んか?」
もう一匹の猫、きゃー
が声をかける。

「えぇ、姉はん。
家を頼みます。」
渋々、といった態で
コタツを抜け出る
いぶにきゃーが声を
かけた。

「あんじょうおきばり
やす。先生。」



イブ、又の名を先生。
飼い主である乱蔵が
面白がって付けた名前
であるが、イブ自身は
結構気にいっている
らしい。
猫仲間にも、そう呼ぶ
ように言っていた。

仲間達も抵抗無く、
そう呼んだ。

何故なら、イブには
先生と呼ばれて然る
べき特殊な能力が
備わっていたからで
ある。

先生は妖しのものを
退治する猫であった
のだ。


寒い寒い、とぼやき
ながらも先生は既に
、猫専用出入り口から
外に出ていた。


玄関にあるそれは、
わざわざ設計士に
頼んだものらしい。
この事だけでも、
いかにこの家の住人が
猫を大事にしているか
が知れた。