「その通り。しかも院長は魔方陣を書いたまま
行方不明になってる。という事は」

「という事は?」

麻理が一呼吸置いて言い放った。
「院長はこちら側の病院にいる」


「う。まさか…」

「だってそう考えた方が自然でしょ」

「ね、どうにかしてここから逃げなきゃ」

「そうよ、あたしらも内臓奪われちゃう」

口々に話し出す仲間を友香が止めた。
「しっ!誰かいる」

「げ」

確かに、物音がする。

「院長?」

「判らない。何か武器になるもの探して」

「わ、判った」

「理沙、ホッチキスなんかどうすんのよ」

「あ、あぁごめんなさいー」

物音が近づいてきた。
「友香ー、何処だ」
雄司の声だった。

「雄司くん?」
思わず飛び出す友香。

「友香、無事だったか!」

「やっぱり雄司くんだ!どうして?」
飛びつこうとする友香の襟首を麻理が引っ張った。

「待ちなさい。ほんとに雄司君だと思うの?
なんでこんな所にいるのよ。」

「何言ってんだよ、俺だよ。雄司だって」

片手を広げて制止する麻理。



「問題。古文の飯塚のあだ名は?」

「え?ちぢれ麺。」

「正解。雄司君~、どうやって来てくれたの~」

「麻理、あんた手のひら返しすぎ」

雄司は、手帳を出して説明を始めた。
全員が最後まで黙って聞いていたが、
話し終えた途端、それぞれが競って
問いかけてきた。