豆腐小僧が微かに聞こえる声で詫びた。
「すいません、最後のおからも使ってしまいました。
ちょっと…無理しちゃった…みたいで す。
ごめんなさい、先生に謝って…おい…て」

河童が豆腐小僧を抱き上げ、その頭を撫でた。
「こいつ、己の身を削っておからにしよった。
自分の命をわてらに渡しよったんや」

「何故。なぜ、そこまで強くなれる」
土蜘蛛の問いに、豆腐小僧が笑った。

「だって…先生と約束したから…みんなを守ってみせるって…
先生…会いたい…な」

そうして、静かに目を閉じた。
その瞬間、今の今まで、崩れる事の無かった
最後の豆腐が粉々に崩れ落ちた。

「阿呆、まずは己の命を守らんかいっ!死んだらあかん。
死ぬなよ、豆腐っ!いつもみたいにへらへら笑わんかい。
こら、目ぇ開けんかい、開けぇちゅうてんねん」

南禅寺の広い境内に、河童の咆哮が木霊しては消えた。
四天王のうち、一番強い筈の毘沙門天は、
一番弱い妖しのもの達に倒された。

まずは東の一角が崩れた。