「素敵な飼主だ。」
「えぇ。この家の人達は皆、あのような
暖かい方ばかりです。」
乱蔵の登場で二人は、
殺気立つのが馬鹿らしくなった。
「…我が主も、この家のような家族に恵まれればな…。
ケルベロス。信じてくれないか。
我が主、カミラ様は決してお前達に仇名す為に
来たのではない。」
「友達を作りに来た、と仰られたそうですが。」
ブラッキーは切なげに顔を伏せた。
「実際、その通りなのだ。
頼む。信じてくれ。」
福はじっと、ブラッキーを見つめた。
「判りました。お互いに魔犬同士。信じます。
ただし、この家の家族に何かあった場合。
その時は…」
「判っている。私も伝説のブラックドッグだ。
尻尾にかけて、約束は守る。」
「ブラッキー。尻尾を高くあげて、先っぽを少し
右に曲げてみてくれないか。」
「こうか?何の真似だ。」
「我等の仲間の合図。了解したという意味だ。」
二人の間から殺気が消えていた。
「もともと、私は荒野で暮らしていたのだ。」
ブラッキーはソーセージが気にいったようだ。
「或る日、つまらないミスで人間に追い詰められて
怪我を負ってしまった。そのとき、私が逃げ込んだ
館にカミラ様は居られた。唸り声を上げる私を
恐れもせず、近寄られて手当てをしてくれたのだ。」
福も夢中でソーセージを食べている。
つくね家の犬には珍しいご馳走なのだ。
「カミラ様は寝る間を惜しんで私を看病してくれた。
だが、そんな事より何より。」
ブラッキーは遠くを見つめた。
「カミラ様は、私に名前をつけてくれたのだ。
荒野を彷徨うだけの私に名をつけてくれた。
その時、私は、ブラックドッグでは無く、
ブラッキーになれたのだ。」
福にはブラッキーの気持ちが痛いほど判った。
「同じだ。私もケルベロスではなく、
福と呼ばれた。そう呼んでくれた
人達を愛している。」
魔犬達は、ただ単に名前をつけて
くれたという事だけで、己の全てを
捧げると誓った、そう言うのだった。
「えぇ。この家の人達は皆、あのような
暖かい方ばかりです。」
乱蔵の登場で二人は、
殺気立つのが馬鹿らしくなった。
「…我が主も、この家のような家族に恵まれればな…。
ケルベロス。信じてくれないか。
我が主、カミラ様は決してお前達に仇名す為に
来たのではない。」
「友達を作りに来た、と仰られたそうですが。」
ブラッキーは切なげに顔を伏せた。
「実際、その通りなのだ。
頼む。信じてくれ。」
福はじっと、ブラッキーを見つめた。
「判りました。お互いに魔犬同士。信じます。
ただし、この家の家族に何かあった場合。
その時は…」
「判っている。私も伝説のブラックドッグだ。
尻尾にかけて、約束は守る。」
「ブラッキー。尻尾を高くあげて、先っぽを少し
右に曲げてみてくれないか。」
「こうか?何の真似だ。」
「我等の仲間の合図。了解したという意味だ。」
二人の間から殺気が消えていた。
「もともと、私は荒野で暮らしていたのだ。」
ブラッキーはソーセージが気にいったようだ。
「或る日、つまらないミスで人間に追い詰められて
怪我を負ってしまった。そのとき、私が逃げ込んだ
館にカミラ様は居られた。唸り声を上げる私を
恐れもせず、近寄られて手当てをしてくれたのだ。」
福も夢中でソーセージを食べている。
つくね家の犬には珍しいご馳走なのだ。
「カミラ様は寝る間を惜しんで私を看病してくれた。
だが、そんな事より何より。」
ブラッキーは遠くを見つめた。
「カミラ様は、私に名前をつけてくれたのだ。
荒野を彷徨うだけの私に名をつけてくれた。
その時、私は、ブラックドッグでは無く、
ブラッキーになれたのだ。」
福にはブラッキーの気持ちが痛いほど判った。
「同じだ。私もケルベロスではなく、
福と呼ばれた。そう呼んでくれた
人達を愛している。」
魔犬達は、ただ単に名前をつけて
くれたという事だけで、己の全てを
捧げると誓った、そう言うのだった。