痛む体を庇いながら、周りを見回す。

「あっ。薬っ!」
泉美の薬が一つだけ、落ちていた。

「よし、一つ。」
続いて、麻理が掴まれたときに落ちた羽も見つかった。

「これで二つ。」
だが、そこまでだ。
処女の血も、猫の爪も無い。

「くそ、何か無いか、なんか」
体をまさぐる雄司の手がポケットに入る。

「…あった。」
赤いバンダナ。友香の血を含んだバンダナが出てきた。

「残りは猫の爪だ。猫の爪、猫の爪……だめか。
最後の一個、あいつらにあげちゃったしな…」

黒い羽。
ベラドンナのエキス。
処女の血。
三つ揃ったのに、闇の使いの爪が無い。

「くそ、こいつのせいで」
雄司はバラバラになった院長を蹴飛ばした。

その途端、気付いた。

「闇の使いの爪。あった。」
雄司が目に留めたのは、院長の手であった。

「何よりもこいつが闇の使いじゃんっ!」