「あんた、あたしを守ってくれるの?なんてかしこい子」
紫近の優しい手が韋駄天の頭を撫でる。
この犬には珍しく、韋駄天は撫でられるままにしていた。
「なんじゃ、その犬ころは」
福禄寿が憎々しげに睨む。
「おれの友達さ、おかしなじいちゃん。韋駄天、よくやった」
到着した太郎丸の顔を見て、ようやく韋駄天が緊張を解いた。
十兵衛と又佐も刀を抜いて仁衛門に走り寄る。
肩を貸そうとした又佐が思わず息を呑んだ。
仁衛門の出血が激しい。足元に大きな血溜りが出来ている。
苦しい息の下から、血まみれの仁衛門が壮絶に微笑んだ。
「じゅ、十兵衛殿…天海は?いかがでしたか」
「天海僧正は間誤う事無く化け物だ。俺が倒さねばなるまい」
二人の会話を黙って聞いていた福禄寿と寿老人が、
その瞬間大声で笑った。
「なるほど、おぬしが十兵衛か。我等が天海様を倒すというか」
「呆れたものよのう。身の程を知れ」
六十五へ
紫近の優しい手が韋駄天の頭を撫でる。
この犬には珍しく、韋駄天は撫でられるままにしていた。
「なんじゃ、その犬ころは」
福禄寿が憎々しげに睨む。
「おれの友達さ、おかしなじいちゃん。韋駄天、よくやった」
到着した太郎丸の顔を見て、ようやく韋駄天が緊張を解いた。
十兵衛と又佐も刀を抜いて仁衛門に走り寄る。
肩を貸そうとした又佐が思わず息を呑んだ。
仁衛門の出血が激しい。足元に大きな血溜りが出来ている。
苦しい息の下から、血まみれの仁衛門が壮絶に微笑んだ。
「じゅ、十兵衛殿…天海は?いかがでしたか」
「天海僧正は間誤う事無く化け物だ。俺が倒さねばなるまい」
二人の会話を黙って聞いていた福禄寿と寿老人が、
その瞬間大声で笑った。
「なるほど、おぬしが十兵衛か。我等が天海様を倒すというか」
「呆れたものよのう。身の程を知れ」
六十五へ