恵美は今日も待ち
続けていた。

戦争が終わり、近所
の若者達も次々に
帰ってきていた。

明日こそ、慎吾が
あの笑顔を見せて
くれる。

恵美はそう信じて
毎日、味噌汁を作り
続けていた。

ある晴れた日の朝、
部屋のドアをノック
する音がした。

やっと。やっと
帰ってきた。

「慎吾!お帰り!」

だが、そこに立って
いたのは、国民服に
身を包んだ男だった。

「これを…」
男が一通の葉書を
出した。
慎吾の死亡確認書
だった。

「な…んですか、これ」

帰ってきたのは、
ただ一枚の葉書だけ
であった。