天空を赤い光が貫いていきます。
長い旅が終わろうとしていました。
先頭に立つのはルドルフ。
彼もそろそろ限界です。
御自慢の赤い鼻も薄汚れて輝きが失せかけていました。
トナカイ達は全部で八頭、たったそれだけで世界中を一晩で回るのです、疲れないはずがありません。
けれど今夜、彼等はいつにも増して必死で走っていました。
一刻も早く、家に戻ろうと懸命に駈け続けています。
何故なら、サンタクロースが風邪をひいてしまったからです。

本当ならサンタは風邪なんかひくはずがありません。

ところが、ロシアのストリートチルドレン達にプレゼントを配っている時のこと。
予定していたプレゼントの数が違いました。
彼等が望む物は、一切れのパンと暖かい牛乳だけなのですが、思っていたよりも、路上で暮らす子供達の数が増えていたのです。

最後の一人、まだ6歳に満たない少年にあげるものがありません。
オモチャはまだ残っているのですが、これは次の国の子供達の分です。

ガタガタと震える少年の顔色がどんどん青ざめていきます。

暖かい部屋で御馳走を食べている子供達もいるのに、彼は今にもここで凍え死にしそうです。

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