俺は独りになった。
何もかもどうでも良くなった。
皆が嫌がる海外出張も平気で引き受けた。

ニューデリー工場への出張。
何も考えない。こんな遠くまで来たのに、
何も感慨が浮かばない。

俺は抜け殻だ。
ただ歩いて息するだけの。

空港へ向かう帰り道。
出発までまだ、時間がある。
俺は空港の外をぼんやりと眺めていた。

その時。

記憶の扉が、激しくノックされた。

信じられない。
立ち上がり、俺は外に出た。

「なんでお前がこんな所に?!」

ニューデリーの強烈な日差しを浴び、
そこに居たのは純白のボディーのsilvyだった。

しかも、コイツは俺の相棒だったsilvyだ。
間違いない。あの当時、嬉しそうに貼り付けた
ステッカーも、ドアの擦り傷も、そのままだ。

驚いたことに、彼女がくれた
成田山のお守りさえ残っていた。

最終へ