「ちょっと。ちょっとちょっと」

「なによ、美津江。ギャグ?」
麻美が眠そうな声で携帯に向かって話しかけた。
「大体ね、今何時だと思ってんのよ。あたしら
中学生にとって日曜日がどれほど重要なものか…」

「いいから聞けって!美玲が殺されたのよっ!」

「…はぁ?」
麻美は何故だか自分の携帯を見つめてしまった。
美津江の声が漏れてきている。

「聞いてんの?麻美!」

「あ、はいはい。殺されたって?なんで?どういうこと」

「あたしの家、美玲の近くじゃん。朝から大騒ぎよ、
警察がそこいら中に居るよ。
あのね、美玲ね、エレベーターの中で絞め殺されてたって…」

エレベーターの中で絞め殺されてた、と麻美はオウムのように繰り返した。
「なんだって美玲が殺されなきゃなんないのよ」
ようやく言葉が出た。

「わかんないわよ。ストーカーか何かじゃないの?」



『違うよ』


九へ