博多駅から特急に乗り換えて約二時間強、由布岳が見えてくる。
豊後富士と呼ばれるだけあり、誠に美しい。桜と菜の花に彩られた田園風景が、すでに我々の心を癒やす。
我々と言ったのには理由がある。
今回の旅は私一人では無い。
ちと傷心気味の若者二人を伴ったのだ。

この二人には、何も言わずに、ノンビリと大分川沿いの桜でも見せた方が良い、そう考えたのだ。

さ、着いたで。アフロくん、チャリくん。

「おぉ~すげーすね。きれいだー」

「こんな所は久しぶりなのさっ!」

どうでも良いが、アフロくん、今日のアフロはやけにデカくないか?

「え?いや、ノーマルっすよ。直径1mしきゃないし」

しきゃないして。
まぁいいか。チャリくん、その腕に着けてるのは自転車のベルか?

「そうなのさ、ちりんちりん♪」

ふーん…口で言ってるんや無かったのか…ほんまに鳴らしてるんや。

「いつだってリアルが好きなのさ♪ちりんちりん」

あぁ判ったから。
…大丈夫かな。こんな二人連れで。