昨日、祖母の初七日を終えた。
残された衣類や、雑貨などを整理する為に
玲子は祖母の部屋に入った。
その部屋は南向きであり、日中などは
暖かい日差しが部屋中に満ちる。
窓を開けていると、すぐ近くの木立を渡る風が入ってくる。

夏の間は、その風が心地よく、一日中開け放していた。
秋になり、日差しは差し込むが肌寒い。
玲子は窓を閉めようとした。
ところが閉まらないのだ。
何故か後15cmほどが閉まらない。
サッシの溝が汚れているのかと確認したが、特に異常は見られない。
建てて間もない家である。
歪んでいるわけでもない。
確かに昨日までは閉まっていたのだ。

「もう…安普請ね」
愚痴を言いながら玲子は階下に向かった。
沙耶が目を覚ましたからだ。
這い這いと掴まり立ちが出来るようになった沙耶は、少し目を離すと
どこへ行くか判らない。
この前も、ベビーベッドから本棚を伝い、知らぬ間に玲子の後ろで
遊んでいたぐらいだ。

窓は、夫が帰ってきたら業者に連絡してもらうことにした。
とりあえず、部屋の戸を閉めておけば風は居間までは
入ってこない。


二へ