「よかったらどうぞ。クッキーを焼いてきました。ハーブティーも」

いぶが手荷物からクッキーと、小さなポットを取り出した。

「あ、と。カップだな、ちょっと待ってくれ。勝手がわからん」

「いいですよ。わたしが出しますから。台所こっちですか?」
いぶが閉め切ったままの部屋を開けた。
淀んだ空気が漏れ出てくる。

「あ、そこは違う」

「少しは部屋の換気した方がいいですよ」
そう言って、いぶは部屋のカーテンを開けた。
窓からは、庭が一望の下に見渡せる。

「これは…ああ、そうか。そうなんだ。
ねぇ、藤田さん、関節炎と高血圧が持病じゃありません?」

ピタリと当てられ、藤田は驚いた。
「なんで判りました」

「見てくださいな。この庭に植えられたハーブ達。
セージがある。強壮、消化促進、解熱、高血圧にもいいハーブ。
その隣はローズマリー。血液の循環を良くし、関節の痛みを和らげてくれる。
リウマチの傷みにも効くわ。
ペパーミント はお風呂に入れると殺菌と発汗作用がある。
ねぇ、藤田さん。この庭は貴方専用の病院ですよ」

「病院…」