数日後。私はニュースを見ていた。
北海道の原野に大きな隕石が落ちたらしい。

もしかしたら…
居ても立っても居られなくなり、私は徳さんの作業場に向かった。

やはり徳さんは旅の支度をしていた。

「おぅ。兄さん。」
「徳さん、あんた行くのか?」

徳さんは返事の代わりに微笑んだ。

「無理だ。おそらく自衛隊か警察が警戒してる。」

「判ってらぁ。まぁ何とかやってみるよ。」


徳さんは飄々と風を背中に受け、旅立った。

二日後。ニュースに徳さんが映っていた。

『この男性は、厳重な警戒を突破し、隕石に近づいた模様です。警官の制止を振り切って、隕石を…舐めた…という事です。』

画面に映った徳さんは、満足気に微笑み、小さくガッツポーズを取っていた。


私も小さくガッツポーズを取り、徳さんの為に祝杯をあげた。

帰ってきたら、たっぷり自慢話を聴かせてもらおう。