「全員に発動!メスを使う男。
外国人と思われる。
その者の捜索を優先せよ。
ただし、見つけても近寄らず、
直ちに私に連絡すること。
これ以上の犠牲を私は望まない。」

命令を発する先生の尻尾が
金色に輝き始めた。

「福やん。どう思う。これは
カミラに関係しているのだろうか。」

「…何らかの関連性はあるでしょうが…
先生、私、ブラッキーに聞いてみます。」
福が顔をあげた。困った顔が更に度を増している。

「うん。すまないが、お願いできるかな。
カミラの来日の理由をはっきりさせておきたい。」

「ただ、居場所が…」

「それについては私に思い当たる
事がある。彼女を最初に見かけたのは
4丁目の角だ。あそこには、墓地がある。」

「墓地?」

「そう、彼女は墓参りに来たとも
言っていた。ここは母の愛した
町だとも。おそらく、墓地にあるのは
カミラの母の墓。このメスも持って
いってください。」

「判りました。向かいます。」

「そうしてください。私はもう少し、
モモちゃんの側にいます。
彼女は良い飲み仲間だったんだ。」

悄然とうなだれる先生の側をそっと離れ、
福は墓地へ走り出した。