春になりますてぇと、どうしてもあったかくなりますな。
ここに熊さんという、ちょいと乱暴だが気のいい男がおりましてぇ。春の陽気にふらふらと歩き回ってるという具合でしてな。
ふと見ると足元に本が落ちてた。
何とはなしに拾ってみたら、こいつにまじないがかけてあったから、さぁ大変。
熊公、すっかり患っちゃった。
女房のおいぶさんに言われて今日は医者を訪ねてきました。
「おいぶのあま、ここがいいよなんつってたけど、評判知って言ってんのかねぇ」
熊公がぼやくのも無理ありません。
この医者、名を藪庵という三代続いたれっきとしたヤブ医者。
近所では『近目の雀』なんて言われてます。
近目の雀、ヤブに当たって死ぬ、てなわけですな。
「まぁ、親切丁寧真心一番、ていうのは評価できますがね」なんて小難しいことを言ってるわりになかなか入ろうとしない。
そうこうしてるうちにドジョウ髭のオヤジに捕まった。
「患者確保ーっ!もう逃がさんぞ」
「わぁっ、て先生じゃねぇですか」
「お。そういうあんたは熊さんか」
「熊さんか、じゃねぇですよ。何ですか確保てのは」
「いや、ここ最近、患者を診ておらんのでな、藪庵さびしいの」
ここに熊さんという、ちょいと乱暴だが気のいい男がおりましてぇ。春の陽気にふらふらと歩き回ってるという具合でしてな。
ふと見ると足元に本が落ちてた。
何とはなしに拾ってみたら、こいつにまじないがかけてあったから、さぁ大変。
熊公、すっかり患っちゃった。
女房のおいぶさんに言われて今日は医者を訪ねてきました。
「おいぶのあま、ここがいいよなんつってたけど、評判知って言ってんのかねぇ」
熊公がぼやくのも無理ありません。
この医者、名を藪庵という三代続いたれっきとしたヤブ医者。
近所では『近目の雀』なんて言われてます。
近目の雀、ヤブに当たって死ぬ、てなわけですな。
「まぁ、親切丁寧真心一番、ていうのは評価できますがね」なんて小難しいことを言ってるわりになかなか入ろうとしない。
そうこうしてるうちにドジョウ髭のオヤジに捕まった。
「患者確保ーっ!もう逃がさんぞ」
「わぁっ、て先生じゃねぇですか」
「お。そういうあんたは熊さんか」
「熊さんか、じゃねぇですよ。何ですか確保てのは」
「いや、ここ最近、患者を診ておらんのでな、藪庵さびしいの」