その頃、ミチクサは家から遠く離れた
公園で、自分の不幸を嘆いていた。

「全く。何でこの俺が、こんな目に遭わなきゃならないんだ」
ミチクサはその日何度目かの愚痴をこぼした。
白い子猫が、ミチクサの尻尾で遊んでいる。

「こっちに来たのが間違いだったかなぁ」
ミチクサはいつもの道を抜けるつもりだった。

多分、陽気のせいだろう。
何となくその日は違う道を選びたくなった。
思えば、それが間違いの始まりだった。

歩き出して、いきなり、性格の悪そうな犬に追いかけられた。
屋根に登って逃げるうち、方角を見失ってしまった。

だが、生粋の旅猫であるミチクサは、こんな事ぐらいでは
オタオタしない。

生来の猫柄の良さで食べものにも困らない。
猫好きと思われる人間はすぐに判るのだ。
通りすがりのおばちゃんに、コロッケをもらって
腹ごしらえをするぐらい、わけは無い。。

ミチクサは、なかなか上機嫌だった。
静かな公園があったので、中に入って昼寝の
場所を探すうち、妙な音に気付いた。