麻理は、ふと田舎の風景を思い出した。
高校を出てからもう二年になる。
声優の道を志して上京し、憧れのゴスロリショップで
バイトを始めた。
最初の頃は、毎日が夢のように過ぎて行った。
店中が大好きな服で溢れている。
来る人達も気合いの入った人達ばかりだ。
店長の蛮さんは海外に買い付けに行ったり、
業界とも繋がりが有るということで、
時々とんでもない有名人が店に現れた。
あっという間に一年が過ぎていった。

(そう言えば理沙のライブ、明日だっけか)

高校時代のクラスメートとは、今でも連絡を取りあっている。

(あの病院、まだあるのかな)
理沙のことを思い出したら、忌まわしい思い出も甦った。
麻理たち四人は、卒業旅行でとんでもない目に遭ったのだ。
魔界へと通じる病院で、悪魔の院長と闘った経験は
彼女達のその後の運命を変えた。