問題なのは、土曜と日曜だ。
学校が無い。給食も無い。
暗い部屋で空っ腹を抱えてジッとしているしか無かった。
そして、夏休みが来た。
学校には行けない。
パンも無い。
三人は水を飲んで過ごした。

このままじゃ、僕らみんな、死んでしまう。
やるしかない。
幸一は、生きるためにスーパーで万引きをした。
アンパンが三つと、チョコレートが一枚。

「おいしいね、にいちゃん」
「甘いなぁ、チョコって初めて食べた」
二人の喜ぶ顔が、幸一から罪悪感を消し去った。

だが、一週間後。
幸一は補導員に見つかってしまった。
父母になかなか連絡がつかない。二人とも、携帯が
聞こえるような場所に居ないのだ。
それでもどうにか三時間後、父が幸一を迎えにきた。

「このクソガキがっ!小学五年で、いっちょまえに盗みかよっ!」
父はいきなり幸一を殴りつけた。店の従業員が驚いて止めるほどであった。
最後まで頭を下げることなく、父は引きづるように幸一を連れて帰った。

家に帰ってから地獄が始まった。
殴られ、蹴られ、幸一の顔は二倍に膨れ上がった。
必死でかばう隆司も殴られる。恐ろしさのあまり、麻美は悲鳴が止まらない。
それがうるさいと言って手を出そうとする父に幸一がしがみついた。
また殴られる。母は止めようともせず、先に寝てしまった。

暴力に飽きた父が眠った頃、
腫れあがった幸一の顔を隆司と麻美は懸命に冷やした。


三へ