途端に年春の体は真っ暗な宙を飛び、気がついたら串カツ屋の中にいた。
どうやら、店の中に居る人達からは、彼の姿は見えないようだ。
(うわ。いきなりここかいや…まずは空腹を乗り切れっちゅうこっちゃな)
ぐっと腹と口を押さえつけ、年春は我慢を開始した。
が、ビリケンさんの与えた試練はそのような生易しい物では無かったのだ。
目の前に東京からの旅行者と思しきカップルがいる。
仲睦まじく串カツを食べようとしている。
男の方が、店主の気づかぬ間に、一度頬張った串カツをもう一度ソース缶に浸けようとした。
ミナミの串カツ屋に於いて、ソースの二度浸けは殺されても文句は言えない。
年春は思わずツッコミを入れようとして、慌てて己の拳を噛んだ。
(あっぶなぁ~!
思わずツッコミ入れるとこやんけ)
何とか堪えた。
年春の目の前で、東京の男の傍若無人な振る舞いは続く。
(まったく…マナー知らずやなぁ)
呆れる年春の頭の中で、またもやビリケンさんの合図が鳴った。
暗い宙を飛び、年春がたどり着いたのは渋谷駅の前である。
レポーターの越前屋俵太が関西と関東のノリの違いを検証しようとしていた。
六へ
どうやら、店の中に居る人達からは、彼の姿は見えないようだ。
(うわ。いきなりここかいや…まずは空腹を乗り切れっちゅうこっちゃな)
ぐっと腹と口を押さえつけ、年春は我慢を開始した。
が、ビリケンさんの与えた試練はそのような生易しい物では無かったのだ。
目の前に東京からの旅行者と思しきカップルがいる。
仲睦まじく串カツを食べようとしている。
男の方が、店主の気づかぬ間に、一度頬張った串カツをもう一度ソース缶に浸けようとした。
ミナミの串カツ屋に於いて、ソースの二度浸けは殺されても文句は言えない。
年春は思わずツッコミを入れようとして、慌てて己の拳を噛んだ。
(あっぶなぁ~!
思わずツッコミ入れるとこやんけ)
何とか堪えた。
年春の目の前で、東京の男の傍若無人な振る舞いは続く。
(まったく…マナー知らずやなぁ)
呆れる年春の頭の中で、またもやビリケンさんの合図が鳴った。
暗い宙を飛び、年春がたどり着いたのは渋谷駅の前である。
レポーターの越前屋俵太が関西と関東のノリの違いを検証しようとしていた。
六へ