早智子はあの日の猿山を思い出した。
確か、猿山から離れ、壁にもたれてぼんやりと空を眺めている猿がいた。
あれがあたしだ。
あたしは群れから逸れた猿だ。
廊下側の一番後ろの席に座り、
きょろきょろと辺りを見回す早智子の目にその人が映った。
教室の中でその人は、他の人とは全く違っていた。
誰とも話そうとしない。けれどうつむかない。
ただ真っ直ぐに前を見ている。
少し悪ぶったようにも見えるが、荒んでいる気配は無い。
何人かは顔見知りらしく気軽に声をかけている。
その都度、笑顔を見せるのだがそれがハッとするほど美しい。
早智子は目を離せなくなった。
今の自分とは全く違うその態度に、正直、不快感を覚えた。
何故あの人は、あれほど自信に満ち溢れているのだろう。
その想いがぐるぐると頭の中を回っていた。
三週間が過ぎても、早智子は相変わらず一人きりだ。
英語の時間などで、授業中にだけグループに入ることはある。
だがそれもそこまで。
早智子は折角のその機会を活かすことができない。
3へ
確か、猿山から離れ、壁にもたれてぼんやりと空を眺めている猿がいた。
あれがあたしだ。
あたしは群れから逸れた猿だ。
廊下側の一番後ろの席に座り、
きょろきょろと辺りを見回す早智子の目にその人が映った。
教室の中でその人は、他の人とは全く違っていた。
誰とも話そうとしない。けれどうつむかない。
ただ真っ直ぐに前を見ている。
少し悪ぶったようにも見えるが、荒んでいる気配は無い。
何人かは顔見知りらしく気軽に声をかけている。
その都度、笑顔を見せるのだがそれがハッとするほど美しい。
早智子は目を離せなくなった。
今の自分とは全く違うその態度に、正直、不快感を覚えた。
何故あの人は、あれほど自信に満ち溢れているのだろう。
その想いがぐるぐると頭の中を回っていた。
三週間が過ぎても、早智子は相変わらず一人きりだ。
英語の時間などで、授業中にだけグループに入ることはある。
だがそれもそこまで。
早智子は折角のその機会を活かすことができない。
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