彼等には、確かに楽器は無かったが、
情熱だけはタップリと有った。

手持ちの楽器だけで、練習を重ねた。
野球部で鍛えられた根性が発揮された。
不思議なもので、何とか様になってくる。

「いよいよだな。」

「うん、ストリートデビューだ」

「あがるなよ」
「おまえこそ」

彼等は、手に馴染んだ楽器を持ち、
公園に向かった。

「なんだよこの人出は」

「花見じゃん」

「ラッキー。きっとみんな注目するぞ」

「よし、行くぞ」

せ~のっ!

結果。

3600円の収入。

こうして上手出し投げバンドは、初のステージで
金を稼ぐことに成功した。