クリスマス商戦が終わった。

直美は、ようやく人だかりが少なくなった売り場をぼんやりと眺めている。

昨日までの混雑が嘘のように閑散としている。
オモチャ売り場はこんなものだと、先輩社員から聞かされてはいたが、それにしても凄まじい人出だった。

笑顔が素敵な直美だが、いつの間にかムスッとした顔になる。
度々、売り場主任の谷山に注意されてしまった。
谷山はさすがに主任だけあって、売り場では笑顔を絶やさない。
その癖、控え室に戻るとテーブルに足を投げ出し、誰に言うとも無く愚痴っている。

直美は今の仕事が自分に最適とは思ってはいない。
もう少し、自分の能力を発揮できる場所が有るのでは、とはおもうが、それがどこかは判らない。
とりあえず、売り場の整理と在庫チェックをしなければならない。

お年玉を握りしめた子供達で、またここは溢れるのだ。

のろのろと売り場を片付け始める。

乱れた陳列棚を前進陳列に並び替え、種類を整える。

汚れたり、中身が無くなった商品は無いか、念入りに調べる。

クレームは、この時期、何よりも怖い。

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