「か…な縛り?金縛りですか」
怖い話を聞かせてくれるというから、わざわざ来たのだ。
それが、金縛り程度の話では骨折り損である。

「まぁまぁ、最後まで聞いてからにしてくださいよ」
いやに自信たっぷりである。
折角来たからのだ、少し付き合うことにした。

「三日前にね、初めて体験したんですがね、
いやぁ参ったなぁ」

「はぁ。やはりあれですか、突然動かなくなると」

「そう。指一本動かせない。上を見たまま、ピクリともできない」
彼はそこまで話すと、これからが本番とでも言うように、
身を乗り出してきた。

「で、ふと気づくと足元に女がいる。血まみれなんですよ。ぽたぽたと
血を垂らしながら、体に乗ってきた」

おや。やや目新しくなってきた。
が、こんなものではまだまだ。

「不思議な事に重くは無い。まぁ、幽霊だからね、重くないのも判る。
で、とうとう私の胸の上で女は止まった。
ギロリ、と睨まれた」

「おお。それは気持ち悪いですな。うん、良い話に出来そうですよ」

「いや、怖いのはここからです」