その途端、男達の頭上から大量の木の実が投げつけられて来た。

「あいたたたた」

「なんだなんだ」

木霊たちの仕業である。
リスや猿も手伝っている。
皆、恐怖を抑えつけ、震えながら必死で投げている。
中にはイガ付きの栗を投げる者も居た。

「くそ、てめぇらも殺す!」

猟銃が上を向いた。

「今だ!」
まめ太の合図が飛ぶ。
木霊たちは、その合図で一斉に体を叩いた。
森の近くにある山で付けてきた、大量の杉花粉が男達に雪崩のように降りかかる。

「うひゃ」

「た、たまらん!やめろ!」

陰陽師の黒い衣装も、真っ黄色に変わっていく。
男がもう一度、銃を構えた。

「あ、おじさん。撃たない方がいいよ」

忠告するまめ太に向かい、男は引き金を引いた。
途端に銃は破裂した。
手を血塗れにして男が呻く。

「あぁあ。だから言ったのに。さっき、銃口に団栗を詰めといたんだ。
まだやるかい、おじさん達」

まめ太自身も花粉を浴びてよさそうなものだが、外見は全く変わらない。
溢れ出る気が、花粉を寄せ付けないのだ。

「くそ猫が」
陰陽師が花粉をはたきながら前に進み出た。

懐から白い紙を取り出し、早九字の印を結ぶ。