「面倒だねぇ…タイプタローだっけか。
だったらジローで充分だよ」

「はいはい。そうするよ。jiro…と。
ご主人様の名前はakikoだ。よし、立ち上げるぞ」

ロボットに馴染みの薄い人達にも親しんでもらおうと、
TYPE-taroは古いアニメを素材にデザインされていた。
丸い目。丸い鼻。いつも笑ってるような口。
体つきも丸みを帯び、手がけた製作者の優しさがにじみ出ていた。
ジローと名づけられたロボットは、ゆっくりと目を開け、あたりを見回す。
口に仕込まれたスピーカーから、合成された音声が流れてきた。

「コンニチワ。
ワタシハ、ジロー。
ナニカ オテツダイシマショウカ」

「ふん。なんだか間抜けな顔だねぇ。
ジロー、紅茶を持っておいで」
亜紀子は杖を支えに立ち上がると、お気に入りのテーブルに向かった。

「ワカリマシタ。アキコサマ。」

「じゃあ母さん、僕は帰るからね。
仲良くしてよ。それとその杖。
いくら護身用とは言っても、電流が流れるんだからね、
ジローには使っちゃ駄目だよ」

「はいはい。わかったわかった。さっさとお帰り。
仕事が忙しいんだろ」