義母さんから数の子を
頂戴した。

俺はこいつには目が
無い。

幸い、ベランダで
ビールも冷えている。

本当なら辛口の日本酒
が良いのだが、贅沢は
生涯の敵だ。


ぽり。

旨い。鰹だしが良く
利いている。

んぐんぐ。

ぷはぁ~っ!

さらに旨い。


「ねぇお父さん。」

なんだ娘よ。

「数の子って何?」

そんな事も知らぬのか
。よいか、数の子とは
ニシンの卵巣じゃ。
それを血抜きし、
塩水で処理する。
アイヌ語でニシンを
カド、と言うところ
から来ているのだな。
足利義輝も食した
らしいよん。
ぽり。
んぐんぐ。


「ふ~ん。という事は
お父さんの今の一噛み
で何百匹ものニシンが
食べられたわけやね。」


ぽり。
んぐん…

小賢しい事を。

ぽりぽりぽり。
んぐんぐんぐんぐ。