予想通り、二品とも良く出た。
用意していた分があっという間に無くなる。

昼時に見かけるのが珍しいゆうきちも一口食べては
にこにこと微笑んでいる。

「熊さん、これ最高。徹夜明けの頭が冴えるわ」

「おや、ゆうきちさん。寝てらっしゃらないんですか」

途端に微笑みが消える。
「そうなのよー。ホテルのイベントが近くてさー。さっき起きたとこ。
今夜も徹夜になりそーよー。娘たちに怒られるわー」
一本調子のまま答えた。

「ごちそうさま。さて、また頑張ってくるかぁっ!」
背伸びをするゆうきちには、ホテルウーマンの面影がまるで無い。

「行ってらっしゃい。あ、これ良かったら持って行って」
熊は小さな包みを渡した。

「うちの朝飯の残りで悪いんだけど。焼きお握り入ってます。
夜中にお腹すいたら食べてください。こっちが鮭。
こっちが梅干し」

ゆうきちの背中がしゃきっと伸びた。
「…ありがと。熊さんが上司だったらなぁ」

「一日で潰れてしまいます」

ゆうきちに笑顔が戻った。

四へ