一、二度鎖を引っ張って確認する。
振り向きもせず、言った。
「逢いたい人には早く逢っとく方がいい」


「…どういうこと?」


「すまんな、あんたら生け贄なんだよ」

「はぁ?」


「昔、一度だけこの塚を整地しようとした事がある。工事関係者が次々に死んだ。」

若者達は黙り込んでいる。咳一つしない。

「その時、何かの封印が解かれたんだろうな。今度は町内で死人が出始めた。左回りに一軒ずつ」


指先が空中にクルリと輪を描いた。

「ところがな。その時、アベックが塚に入り込んだ。二日後、二人とも死んだ。それで止まった。」


「だったらそれでタタリも終わったんじゃ」

男は首を横に振った。

「一年に12人。それだけ必要なんだよ。今年はあんたらで丁度12人だ。本当にすまんな、助かったよ」


若者達をもう一度寒気が襲った。

今度の寒気は抜けようとはしなかった。