男が使ったチケットは、かなり値が張るがそれだけの事はあった。

どのような状況であろうと、そのチケットを使う者が最優先されるのだ。

今夜みたいな軽い症状でも例外は無い。男は、チケットを手に入れてから我が儘勝手に使いまくった。

隣のベッドで瀕死の患者が居たところで男は全く何も感じない。
自分の体が一番大事なのだ。

それだけの金は支払ってあるという理屈が勝っている。

今夜のコンパに勇んで乗り込んだ男は、羽目を外し過ぎた。
狙っていた女はあっさり帰ってしまった。
少し気分が悪い。

タクシーもなかなか捕まらない。

面倒になった男は、黒い救急車を呼んだ。

黒い服の隊員にチケットを請求された男は、チケットの半券を見せた。

「今は切らしてるが、またすぐに買うから。病院へ運べよ」
隊員達はお互いに顔を見合わせた。

「よろしいですよ。ただ、指定病院になりますが?」

「かまわねぇからサッサと連れてけ」

最終へ