「へい、ありがとうございます。んじゃ…
あんた、いつも頑張ってるねぇ…わかってるよ、みんなが
どう思おうと、わたしゃ判ってる。
あんた、優しい人なんだよ。いつもその優しさが仇になるんだ。
今日だってそうだろ?頼んない部下をかばってやった事だ。
でも、それを変えることは無い。今のギスギスした世の中、
あんたみたいなバカが一人ぐらい居たって良いんだよ。
さ、あんたみたいに優しく仕上がった鍋底大根だ。
ゆっくり味わって食べるといい。」

「お、おやっさんっ…」

なんとまぁ。これはこれは…癒し系屋台とは。
お。次の人だ。

「おやっさん、俺は熱々コースで」

「へぇありがとうございます。では。
どうしたどうした、暗い顔してっ。背中丸めてるのは
寒さだけのせいじゃないな?あぁ?
自分の未来が見えないってか?
いいか、未来なんか見える奴ぁ居ないんだよ。
でもな、よく考えてみろ。
未来はそこにポツンと在るわけじゃない。
ずっと足元から続いているんだ。
歩かなきゃ、未来には近づかない。
いいな、よし、この牛スジを食べてみろ。」

「おやっさんっ!うぉぉぉぉ!」

ラストへ