雄一に会えるかもしれない。
同窓会に出席すると決めた日から、真紀子の胸に
ほんのりと灯りが点った。

会場は高校の近くに出来た居酒屋らしい。
ようやく起きてきた寝ぼけ眼の夫に後の事を頼み、駅を目指す。
どうやら間に合いそうだ。
あの頃と違い、駅前のロータリーは新しくなり、
コンビニも出来ている。
自動改札なども無かったほどだ。
けれど、ホームから見える風景は同じだ。
たちまちのうちに真紀子は、高校生の気持ちを
取り戻していた。

久しぶりに乗った電車の窓の外を流れる景色も
驚くほどに変わらない。
元々、開発が遅れている地域ではあるが、このところの
不景気が景色の近代化を拒んだ。

延々と続く田園風景の中、真紀子を乗せた電車は
駅に着いた。
改札を抜けた途端、真紀子は思わず小さな歓声をあげた。
高校の帰り道、買い食いをした三上商店がまだあったのだ。
信じられないことに、店主の俊子さんも健在のようだ。