「はい、いいですか皆さん。では、今から現地に向かいますからね」

「はーい先生」

沢山の手があがる。
返事だけはやたらと良いが、そのくせ、誰一人先生を見ようともしていない。

「今から見学するのは、古代の人間が残した遺跡です。くれぐれも、落書きとかしないように。いいですね?」

「はーい先生」

同じである。
全く聞いていない。
その結果は、旅行後、すぐに現れた。

ニュースに取り上げられてしまったのだ。

「全くあいつらときたら…」

「困りましたなぁ…」

担任と校長が頭を抱える。

彼らの前には、地球星日本国の新聞が広げられていた。


『ナスカの地上絵、新たに100個発見』


「100個という事は、地球を見学した生徒全員ですか。」

「そうなんですよ。参ったなぁ…火星見学組は真面目なのに」


担任は先ほど抱えた頭をさらに抱えた。

この星の者達は腕を8本持っているのだ。

頭は抱え放題である。


「あと現地時間で200年ほど経てば、地球人は絶滅するはずだから、それまでは内密にしましょう」

「そうですな」


という事らしい。