「だいぶ勘が戻ってきたな。やはり、旅は良い」
呑気なことを言いながら、戻ってくる十兵衛に太郎丸が
飛びついてきた。
「お、おじさん強ぇなぁ!凄いや!それと、そっちの爺様も」
「はは、たいした事はない。俺なんかまだまだ弱い方さ」
「もちろん、俺と俺のお父には負けるけどね」
大蛇は嫌な臭いだけを残し、すでに消え去っている。
木に突き立った槍を抜きながら又佐が言った。
「それにしても若、弱りましたな。こう毎日、敵の相手ばかり
していては前に進みませぬぞ」
十兵衛も思案顔である。
確かに、これ以上の遅れは、あまり好ましくない。
その思案顔にニヤリを微笑みが浮かんだ。
さながら、いたずらを思いついた子供のようである。
「思いついた。良いことがある。又佐、面白い物に
乗せてやろう」
「面白いもの?」
「さよう。それに乗れば、一日で江戸に着く。行くぞ」
太郎丸はすっかり十兵衛が気に入ったようだ。
側をピッタリと着いて歩きだした。
その横には韋駄天がいる。
二十五へ
呑気なことを言いながら、戻ってくる十兵衛に太郎丸が
飛びついてきた。
「お、おじさん強ぇなぁ!凄いや!それと、そっちの爺様も」
「はは、たいした事はない。俺なんかまだまだ弱い方さ」
「もちろん、俺と俺のお父には負けるけどね」
大蛇は嫌な臭いだけを残し、すでに消え去っている。
木に突き立った槍を抜きながら又佐が言った。
「それにしても若、弱りましたな。こう毎日、敵の相手ばかり
していては前に進みませぬぞ」
十兵衛も思案顔である。
確かに、これ以上の遅れは、あまり好ましくない。
その思案顔にニヤリを微笑みが浮かんだ。
さながら、いたずらを思いついた子供のようである。
「思いついた。良いことがある。又佐、面白い物に
乗せてやろう」
「面白いもの?」
「さよう。それに乗れば、一日で江戸に着く。行くぞ」
太郎丸はすっかり十兵衛が気に入ったようだ。
側をピッタリと着いて歩きだした。
その横には韋駄天がいる。
二十五へ