突然、車椅子が
止まった。

「琴美。ご褒美くれ。」

祐輔の声がした。

驚いて顔を上げた
琴美の目の前に、
金色に光る物が
見えた。

優勝カップだった。

そしてもう一つ、輝く
ものが見えた。

祐輔の満面の笑顔。

「祐輔君!」

「やったぜ。
いっちばーん!だ。」

「祐輔君、祐輔くん…」

「どした?泣いてたの
か?」

琴美の母に交替して
もらい、車椅子を押し
ながら祐輔は琴美が
今置かれている
状況を知った。

「…だから、もう
祐輔君とは
会えない。」

「何で?」

「何でって…あたしは
これから車椅子で
暮らしていかなきゃ
ならないんだよ?!
5年後、生きてるか
どうかも判らないん
だよ?!
そんな女の子が
恋なんかできると
思う?!」

「だから何で。」

「だから…」