今年も届いた。
薔薇の花、二十本とケーキのセット。
毎年欠かさずに、朋子の誕生日に贈られてくる。
贈り主は、夫の尚人であった。

「今年も届いたね、母さん」
娘の恵美が薔薇の香りを楽しみながら、
朋子に微笑みかけた。

「ほんとにねぇ…父さん、一体、何年分頼んでおいたのかしら」

「うーん…ずっとずっと永遠によ」

「そんなこと無いでしょ。だって、安く見ても五千円はするわよ?
十年続いて5万円。二十年で10万円…あら。あるかもね」

尚人が亡くなってから、五年が経つ。
亡くなった次の年からずっと、誕生日のプレゼントは届き続けている。
きっと生前、気紛れに頼んでおいたものが届いただけなのだろうと
娘と二人、泣き笑いしたのだが、贈り物は次の年も、その次の年も
変わらずに届いた。
ニへ