最初に目を覚ましたのは多中であった。
何処とも知れぬ真っ白な空間である。
金属にしては手触りが柔らかい床に、樹林と多中も倒れていた。

「隊長っ!縄谷、大丈夫か!」

頭を抱えながら起き上がった樹林も、床の手触りを確かめている。

縄谷は胸元を血で汚している。
が、これは鼻血であった。
心配御無用に願おう。

「みんな大丈夫か…」

「隊長、ここは?」

樹林は前後左右を見回した。
「…浜崎あゆみのマンション?」

「ですかね?」

『気がついたようだな、太陽系第三惑星の住人よ』
微妙に震えた声がした。

振り向いた三人がそこに見たのは、灰色の体に吊り上がった目の小さな人。

「ビ、ビリケンさんっ?!」

『それは~終わったネタだ~わたしたちは~グレイとお前たちが~呼ぶ存在だ~』

グレイは左右の手で胸を叩きながら喋っている。
そうすることにより、声にビブラートを与えているのだろう。


「我々をどうするつもりだ」
樹林が隊員たちをかばいながら叫んだ。


『お前たちは~この惑星の~代表者に選ばれた~ぅおっほ、ゴホゴホ』

どうやら胸を叩き過ぎたようだ。

六へ