十郎太は斬月をゆっくりと持ち上げた。
中段を過ぎ、上段。
大上段。
が、それでもまだ止まらない。
とうとう峰がピタリと背中に付いた。斧で木を切ろうとする姿に酷似している。
無論、胴体はがら空きだ。隙だらけの、いわゆる馬鹿胴である。
わざわざ抜刀術を使わなくとも斬るのは容易い。
容易い筈だが、増長天は動かない。
無論、隙だらけと判ってはいる。
狙う箇所は一つだけ、がら空きの胴。
増長天の腕をもってすれば、十郎太を二つにするのは容易い。
だからこそ動けないのだ。
何かある。
でなければおかしい。
「くそ、構うものか」
増長天は迷いを振り切るように走り出した。事ここに至っては、己の腕を信じるしかない。
たちどころに間合いが詰まる。
右手が腰に伸びる。必殺の抜刀術だ。
腰間から光が走った。
中段を過ぎ、上段。
大上段。
が、それでもまだ止まらない。
とうとう峰がピタリと背中に付いた。斧で木を切ろうとする姿に酷似している。
無論、胴体はがら空きだ。隙だらけの、いわゆる馬鹿胴である。
わざわざ抜刀術を使わなくとも斬るのは容易い。
容易い筈だが、増長天は動かない。
無論、隙だらけと判ってはいる。
狙う箇所は一つだけ、がら空きの胴。
増長天の腕をもってすれば、十郎太を二つにするのは容易い。
だからこそ動けないのだ。
何かある。
でなければおかしい。
「くそ、構うものか」
増長天は迷いを振り切るように走り出した。事ここに至っては、己の腕を信じるしかない。
たちどころに間合いが詰まる。
右手が腰に伸びる。必殺の抜刀術だ。
腰間から光が走った。