それ以上我慢は出来なかった。
麻理は、志郎の美しい顔面を思い切り殴った。
しかもグーで。
華奢な女の手で殴られても、大した事は有るまいと
思うなかれ。
彼女の指には、ゴツい指輪が嵌っている。
尖ったのやら、十字架やら、こんな手で殴られたりしたら
堪ったものではない。
「痛たたた。なにすんだよぅ」
へたり込んだ志郎の左頬に、十字架が聖痕のように
クッキリと浮かんでいる。
「何すんだよぅ~じゃないわよっ!大体ね、前の住人の安否も
わかんないのに、新しい住人探してどうすんのよっ!
それに眞子が行方不明かどうか、まだ判んないでしょっ?!」
「で、でもね、共通点があるんだよぅ」
「その話し方やめなさいっ。小さな『ぅ』付けて話すんじゃないわよ。
子供か、あんた」
「立派な大人だよぅ…大人さ」
「言い直すなっ!まぁいい、共通点て何よ」
「え」
「えじゃないっ」
ひい、ぶたないでぇと顔面を庇いながら志郎は
慌てて話を続けた。
「ようかんだよ」
「ようかん?虎屋の?」
「違うよ。発音が違うだろ。洋風の館。洋館」
麻理は、志郎の美しい顔面を思い切り殴った。
しかもグーで。
華奢な女の手で殴られても、大した事は有るまいと
思うなかれ。
彼女の指には、ゴツい指輪が嵌っている。
尖ったのやら、十字架やら、こんな手で殴られたりしたら
堪ったものではない。
「痛たたた。なにすんだよぅ」
へたり込んだ志郎の左頬に、十字架が聖痕のように
クッキリと浮かんでいる。
「何すんだよぅ~じゃないわよっ!大体ね、前の住人の安否も
わかんないのに、新しい住人探してどうすんのよっ!
それに眞子が行方不明かどうか、まだ判んないでしょっ?!」
「で、でもね、共通点があるんだよぅ」
「その話し方やめなさいっ。小さな『ぅ』付けて話すんじゃないわよ。
子供か、あんた」
「立派な大人だよぅ…大人さ」
「言い直すなっ!まぁいい、共通点て何よ」
「え」
「えじゃないっ」
ひい、ぶたないでぇと顔面を庇いながら志郎は
慌てて話を続けた。
「ようかんだよ」
「ようかん?虎屋の?」
「違うよ。発音が違うだろ。洋風の館。洋館」