「あたしゃ絶対に嫌だからね。
そんな機械人形に助けてもらうぐらいなら、
さっさと死んだ方がマシだよ」

「でも母さん、このTYPE-taroはさ、
SANY社の介護ロボットでね、
かなり実績があるんだよ。
絶対に役立つってば」

真一は、母の肩に手を置いて説得を再開した。
妻の渋面を押し切り購入した品である。
型遅れの展示品とはいえ、結構な値段だった。
母が素直に老人ホームに入居していれば、
しなくとも良い出費なのだ。
今更、返品したところで次の手が浮かばない。
本音は胸の中に留め、真一は甘い言葉を並べ続けた。

「洗濯機や冷蔵庫や番犬を置くのと変わらないよ。
これがあるだけで僕も由紀も安心だから」

「ふん。安心して、ほったらかしにしておけるってわけだ。
わかったよ。試しに使ってあげるよ」

逆らう気にもなれず、彼はここぞとばかりにロボットに向かった。
「もう母さんたら。素直じゃないんだから。
ええと、名前を入力したらソフトが起動すると言ってたな…
母さん、名前、何にする?」