「きゃぁぁぁっ!沙耶っ!」
絶叫しながら玲子が沙耶を抱き上げた。

「まぁま、まぁま」
ニコニコと笑っている。

「…え?えぇ?何で?確かに挟んだのに…あっ!」

先ほどと同じく、窓は15cmのところで止まり、そこから先には
動かなかったのだ。
その為、沙耶は全く傷を負わなかった。

玲子は思わず、仏壇を見た。
祖母の写真が飾られてある。
微笑んだ祖母の写真がジッと沙耶を見つめているように思えた。

「それで…それで閉まらなかったんだ。ありがとう、
助かりました…」
祖母の写真が涙に滲んで見えなくなった。

「まぁま、まぁま」
沙耶が心配そうに玲子の頭を撫でた。

その後、窓は嘘のように支障なく閉まった。
秋の柔らかな日差しが溢れる祖母の部屋で、
四人はもう一つずつケーキを食べた。

「まぁま、まぁま」
沙耶を抱きしめ玲子は仏壇に向かい、手を合わせた。

「あしたまた買いましょうね、今度は御萩。
お祖母ちゃんが大好きだったから」

ふと、線香の香りがした。