大学生になった俺は
京都で暮らし始めた。
帰省するたびに、
一つ気になる事が
あった。
テレビの上に俺の
写真が飾ってある。
俺がプレゼントした
写真立てに入れて。
その写真は高校生の
俺。
詰襟を着て、七三分け
の頭でニッコリと
微笑んでいる。
大変に恥ずかしい
写真だ。
で、俺はある日、母に
問うた。
「おかん、こう何て
言うかな、もう少し
マシな写真は
無いのかな。
俺の赤ん坊の時の
写真とかさ。」
「あんたの小さい頃
の写真て可愛くない
しなぁ…」
この人は…と呆れて
姉貴に言ったら、
いきなり頭を叩かれた。
「あほ。鈍感。」
「何が。何の事や。」
「あんたな、よう考え
てみ。お父さんが
死んだのは、
あんたが幾つの時や。
赤ん坊のあんたの
写真を見たら、辛い
思い出も浮かぶやろ。
」
アホだ。俺は。そんな
事すら思いつかない
アホだ。
姉貴がそのあと、
それとなく母に確認
したそうだ。
「なぁ、お母ちゃん。
この写真な…」
「あ?あぁ。めっちゃ
面白いやろ。今は
いきがってリーゼント
とかにしてるけど、
七三やで。七三。
大笑いや。」
そう笑いながら、
けれど目は潤んでいた
らしい。
おかん。あんた、
おもろい人やった。
でも嘘は下手やった。
京都で暮らし始めた。
帰省するたびに、
一つ気になる事が
あった。
テレビの上に俺の
写真が飾ってある。
俺がプレゼントした
写真立てに入れて。
その写真は高校生の
俺。
詰襟を着て、七三分け
の頭でニッコリと
微笑んでいる。
大変に恥ずかしい
写真だ。
で、俺はある日、母に
問うた。
「おかん、こう何て
言うかな、もう少し
マシな写真は
無いのかな。
俺の赤ん坊の時の
写真とかさ。」
「あんたの小さい頃
の写真て可愛くない
しなぁ…」
この人は…と呆れて
姉貴に言ったら、
いきなり頭を叩かれた。
「あほ。鈍感。」
「何が。何の事や。」
「あんたな、よう考え
てみ。お父さんが
死んだのは、
あんたが幾つの時や。
赤ん坊のあんたの
写真を見たら、辛い
思い出も浮かぶやろ。
」
アホだ。俺は。そんな
事すら思いつかない
アホだ。
姉貴がそのあと、
それとなく母に確認
したそうだ。
「なぁ、お母ちゃん。
この写真な…」
「あ?あぁ。めっちゃ
面白いやろ。今は
いきがってリーゼント
とかにしてるけど、
七三やで。七三。
大笑いや。」
そう笑いながら、
けれど目は潤んでいた
らしい。
おかん。あんた、
おもろい人やった。
でも嘘は下手やった。