ケーキを皿に載せ、お気に入りの紅茶を入れる。
主婦二人の小さなパーティーだ。
遙は、お姉ちゃんよろしく沙耶と遊んでいる。
玲子と美奈子は、安心して愚痴を言いあった。
あまりにも夢中になり過ぎて、玲子は子ども達が祖母の部屋に
入ったことにも気付かなかった。
仏壇の鈴を鳴らす音がした。

「あら!あの子達、部屋に入っちゃったんじゃない?!」

「そうみたいね…いけないっ!」
窓が開いている。窓の下はコンクリートが剥き出しだ。
庇すら無い。落ちたら確実に怪我をする。
玲子は部屋に飛び込み、悲鳴を上げた。

遊んでいるうち、蒸し暑くなったのだろう、遙が窓を
全開にしていたのだ。
そして、沙耶が窓枠に掴まり、立ち上がっていた。
重心を失えば、そのまま地面に落下する。
美奈子が叫んだ。
「遙、窓を閉めなさいっ早くっ!」

驚いた遙が勢い良く窓を閉めようとした。
沙耶が窓を乗り越えようとしている、ちょうどその時だ。

勢いがついた窓は沙耶の柔らかい頭を思い切り挟んでしまった。


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