む。
むむ。

いかんの。
蛇じゃ。

よりによって、一番でかいのが来よったか。

じゃが、きゃつらにも命はあるでのぅ。
婆が手出しするわけにはいかん。

おお、父親が飛んで来よったか。
無理じゃ、その体で何ほどの事が出来ようもんか。

なんと。
なんとまぁまぁまぁ!

子を守ろうとする気持ちは凄まじい力を与えるもんじゃなぁ。

追い払ってしもうたぞい。

あ。
ああ、だめか。
だめかのう、力尽きたか。
妻と子供たちを残して逝ってしまうのか。


…哀れじゃのう。


婆が悪かったかのう…


仕方ない、ここは一つ、手助けするしかないか。
母親だけでは大変じゃろうな。
せめて餌だけでもまかなってやろうぞな。

いつもは身震いして振り払う毛虫どもじゃが、今年だけは我慢してやろう。

すまんの、毛虫どもよ。
おまえらの命、今生だけは貸してやってくれ。

巡りめぐって恩返しする時も来ようぞな。




ああ、あないに小さかったヒナ達が、大きゅうなったもんじゃて。

そろそろ巣立ちじゃの。
む。
むむ。

人間じゃ。

わしに触って何を言うとるんじゃ。

何?!

この辺りを開発するとな。
わしを伐ろうと言うのか。