子どもの頃、誕生日は一大イベントだった。

何日も前からワクワクドキドキして眠れなかった。

俺の家は貧しかったので、誕生日に出てくる晩御飯が大変に楽しみだったのだ。

この日ばかりは、母も仕事を休み、姉と俺に精一杯の料理を作ってくれた。

プレゼントなんか無くても良かった。
美味い料理と、何よりも家族が全員揃った食卓が最高のプレゼントだったのだ。

故郷を離れ独り暮らしを始めてからは、誕生日は普通の日になってしまった。

時には彼女と二人でささやかな食事を楽しむこともあったが、ワクワクドキドキしながら待つなどという事とは無縁である。

結婚して自分の家族が出来てから、誕生日にはまた、美味い料理が出るようになった。

残念ながら、今日が誕生日というのに俺は仕事だ。

少しずらして家族全員揃う日を選んで、嫁はんが腕をふるってくれる筈だ。


そして、今年の誕生日は子どもの頃みたいにワクワクドキドキしている。

何故って、夢が現実になったっていうプレゼントを貰ったからね。

書くことは苦しくて、時には行き詰まって叫びたくなるけれど、
それでも俺は明日の俺が楽しみで仕方ない。