さっちゃんもどうしましょうと目で答える。

涼子先生は、とりあえず説明よ、と小声で指示した。


「まず、だんおうにあとうをくわえたものをうせんで撹拌して」

説明しよう。
「卵黄に砂糖を加えた物を湯煎で撹拌して」
と言ったのだ。

さっぱり話が解らぬまま番組は進んだ。
不幸は重なるもので、生放送であった。

「だんおうきじにメレンゲをまぜる時は、三分の位置をひっかりと混ぜ、三分の一はゴムベラでダックリと混ぜ、最後にメレンゲにもどじでダックリと混ぜまつ」

もうさっぱりワヤである。

さっくりと混ぜなくてはならないのに、ざっくりと混ぜるわ、シットリしなければならない箇所はジットリしてしまったのだ。

結果、出来上がったケーキは、放送コードに引っかかってしまった。



数日後、始末書を書き終えた涼子先生とさっちゃんは、街を見下ろす山の中腹に向かった。

ガスマスクを被った二人は、次々に杉の木を揺さぶり続けた。

「ばちじゅう花粉まみ゛でにじでやる゛」


説明しよう。
「街中花粉まみれにしてやる」

と言ったのだ。

ごの゛お話を花粉症の゛びださんにざざげます。
説明しよう。
このお話を花粉症の皆さんに捧げます。

ちなみに俺は熊だから花粉症とは縁が無い。