職場まで自転車で出勤している私にとって、
何よりも苦痛なのが雨、それも夕立である。

一昨日のことであった。
遠雷は聞こえているが、出勤時間である。
仕方なく自転車にまたがり50mほど進んだところで
ポツリ、と一粒の雨が頬にあたった。

あ。やばいかな
と思う間もなく
タライをひっくり返したような
馬の背を分けるような
天の底が抜けたような
織田無道になって滝に打たれているような

とにかくそんな豪雨が降ってきた。
息もできないぐらいだ。


ふっふっふ、転ばぬ先の杖とばかりに用意していた
傘をさしたが風が強く、たちまち飛ばされそうになる。

幸いというか何と言うか、腕力には自信がある。
ぐ、っと堪えて傘を差し続けた。

が、かえってこれが災いした。
下から巻き上げるような風が私の体を
宙へと舞い上げた。

メリーポピンズというか、卍党の黒道士というか
傘を片手に空高く舞い上がった私は、
そのまま職場へと到着し、
おかげで遅刻を免れたのであった。

てのは勿論、嘘である。
服を着たままプールに浸かった状態のまま、
職場に到着。
着替えが置いてある為、大丈夫であったが、
しまったことにパンツの替えが無い。


しばらくの間、ぶらぶらと仕事をしたのであった。