綱引きに必要なもの、それは腕力と瞬発力と持久力、そして団結力。
俺達のチームには腕力も瞬発力も持久力も無い。
あるのは団結力だけだ。
だがそれは、ダイヤモンドよりも硬い。

「せっ!」

ここだ。
俺は、ほとんど地面に水平になる。
そのまま動かないのが役目だ。

俺は運動場という海に沈む錨だ。
人の形をした楔だ。

後はチームメイトを信じていれば良い。
簡単なことだ。

力の限り?
限りなどない。
任せろ、俺は動かない。

そして俺達は例年通り、勝ち進んで行った。

例年とは異なるルールが俺達を苦しめるとは
ほんの少しも気づいていなかった。