「今度の町内の春祭に、僕達の店も出したいんです」

「はぁ?お前らが?何を売ろうってんだ。というか、
何で金がいるんだ。出来るのか」

「実は…」
口下手な俊彦の代わりに、僕が説明する。

「学校の近くの高木屋さん、泥棒が入って、
店の運営資金とおじいさんの入院費が
払えないんです。だから、僕達、自分たちで
フリーマーケットやろうと思って」

「ほう。彰宏くん、そりゃあ感心な話だが…
品物集まるのか?」

「えぇ、僕達、クラスのみんなに相談しました。
みんな、高木屋が無くなるのが嫌なんです。
協力してくれるって」

後藤さんは、しばらく考えてたけれど、
何とかオーケーしてくれた。

祭の当日、僕達は学校から借りたテントを
立て、そこに沢山の品物を並べた。
ゲームソフト・玩具・服・漫画・CD。
祭は二日間ある。
店は僕達三人がやることになった。
みんなの期待を受けてやるからには、
絶対に成功させなきゃならない。
僕達は勢い込んだ。

でも。
一日目、全く売れない。

中学生が相手と見て、みんなナメてかかってくる。
お酒を呑んでる人も多いから、馬鹿にされて絡まれる。
結局、その日の僕達の売り上げは
3万円にしかならなかった。